賭博が禁止されている日本でも、一部のギャンブルは公営ギャンブルとして法律で認められています。ここでは、日本国内で許可されているギャンブル、違法のギャンブルについて詳しく解説しました。
日本国内で許可されているギャンブル
日本国内で許可されているギャンブルは6種類あります。
公営ギャンブル | 管轄省庁 | 根拠法令 |
---|---|---|
オートレース | 経済産業省 | 小型自動車競走法 |
競馬 | 農林水産省 | 競馬法 |
競輪 | 経済産業省 | 自転車競技法 |
競艇(ボートレース) | 国土交通省 | モーターボート競走法 |
宝くじ | 総務省 | 当せん金付証票法 |
スポーツくじ | 文部科学省 | スポーツ振興投票の実施等に関する法律 |
それぞれ詳しく解説します。
オートレース
オートレースは、小型自動車競走法の定めにより認められています。全国に5か所のレース場があり、毎日レースが開催されます。
売り上げ規模は全公営ギャンブルの中で最も少ないです。しかし、最近はネット投票の普及や夜遅い時間のレースの増加などによって、徐々に売上金額が増えています。
平均時速100㎞以上、最高時速150㎞という圧倒的なスピード感が、オートレースの魅力です。
競馬
競馬は、競馬法の定めによって認められています。JRAが主催する中央競馬と、地方公共団体が主催する地方競馬があります。レース場は中央競馬が全国10か所、地方競馬が全国15か所です。
競馬は公営ギャンブル全体で最も人気があり、4兆円以上の売上を誇ります。日本の公営ギャンブル全体の売上が7兆円強なので、競馬だけで50%以上を占めているのです。
その中でも、中央競馬は3兆円以上の売上があり、人気度は抜群です。注目度の高いG1レースだと、わずか1レースでも数百億円単位の馬券が売れます。
JRAは25日、イクイノックス(牡4=木村)が制した宝塚記念の売り上げを発表。273億6318万4100円で前年比122・9%となった。
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競輪
競輪は、自転車競技法の定めによって認められています。全国43か所にレース場があり、毎日朝早くから夜23時30分頃までレースが開催されます。公営ギャンブルの中では、最も多く開催されるのが特徴です。
競輪は人間が自転車をこいで競走します。人間を動力とするのは、唯一競輪だけです。ここに、ライン同士の勝負、出場選手同士の心理的駆け引きなどの要素があり、公営ギャンブルの中でも特に奥深いと言われています。
また、月に8~10日程度は「PIST6」という競輪レースも開催されます。
PIST6は、屋内で開催されること、バンクが短いことなど、通常の競輪とは異なる特徴があります。
競艇
競艇は、モーターボート競走法の定めによって認められています。競艇場は全国に24か所です。毎日各地でレースが開催されます。大村、下関、若松のレース場では、ミッドナイトレースが開催されることもあります。
競艇は中央競馬に次いで、第2位の売上規模を誇る公営ギャンブルです。2020年度以降は売上金額の伸びも大きく、人気度がどんどん高まっています。
競艇は1回のレースで6艇しか出艇しないため、予想が比較的簡単です。そのため、最も初心者向けの公営ギャンブルと言われています。
宝くじ
宝くじは、当せん金付証票法の定めによって認められています。みずほ銀行や宝くじ売り場、コンビニなどでも気軽に買えるので、最も身近に感じられる公営ギャンブルでしょう。
宝くじは、「夢を買うギャンブル」と言われるように、当たれば億単位もの賞金を狙えます。しかし、高額当選はとても確率が低く、ほとんどの場合は負けます。(=購入金額よりも低い賞金しかもらえません)
これは還元率が低いためです。宝くじの還元率は、当せん金付証票法の第5条で5割以下と定められています。
第5条 当せん金付証票の当せん金品の金額又は価格の総額は、その発売総額の五割に相当する額(加算型当せん金付証票にあつては、その額に加算金(第2条第2項の加算金をいう。以下同じ。)の額を加えた額)をこえてはならない。
当せん金付証票法|条文|法令リード
実際には諸経費などが差し引かれ、還元率は45%程度です。
スポーツくじ
スポーツくじは、スポーツ振興投票の実施等に関する法律の定めによって認められています。スポーツくじにはBIG、toto、WINNERの3種類があり、BIGとtotoはサッカーのみ、WINNERはサッカーとバスケットボールが対象です。
BIGとtotoでは、サッカーの複数の試合の結果を予想します。的中試合数に応じて等級が決まり、1等だと億単位の賞金も狙える夢のあるギャンブルです。
WINNERは、1試合の結果だけを予想します。それぞれの賭け式にはオッズが設定されており、当たれば「購入金額×オッズ」が払戻金としてもらえます。
パチンコ・パチスロはギャンブルとして許可されていないが、違法性はない
パチンコやパチスロも人気ですが、法律でギャンブルとして認められていません。しかし、パチンコやパチスロで賭けても、違法性はありません。これは、パチンコとパチスロが風俗営業法によって合法的に営業されているためです。
実は、パチンコやパチスロで賭けることは、賭博には当たりません。単にパチンコ台やパチスロ機種での遊戯を楽しんでいるだけと見なされます。
出玉も直接換金するのではなく、一旦特殊景品に換えてから、それを換金します。つまり、パチンコ店やパチスロ店では、直接お金を賭けているわけではないと見なされるのです。このシステムを「3店方式」と言い、パチンコやパチスロが賭博ではないことの裏付けとなっています。
その他の賭け事は違法なので要注意
上記で紹介した以外の賭け事は、国内ではすべて違法になります。
- 賭け麻雀
- ブックメーカー(スポーツベッティング)
- オンラインカジノ
- 闇カジノ
これらはすべて、根拠法令がありません。もし違法賭博に手を出した場合、刑法に抵触して罰則の対象になります。
程度によっては、高額の罰金、懲役刑などを受ける可能性もあるので注意してください。
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