世界には様々な公営ギャンブルがあります。、ここでは、世界の公営ギャンブルと、日本にしかない公営ギャンブルなど詳しく解説していきます。
世界の公営ギャンブル一覧(日本にはないギャンブル)
日本ではなじみがない、世界各国の公営ギャンブルを紹介します。
公営ギャンブル | 行われている国 |
---|---|
グレイハウンドレース | イギリスなど |
闘牛(ソ・サウム) | 韓国 |
闘鶏(サボン) | フィリピンなど |
ハトレース(※) | ベルギー、オランダなど |
ラクダレース(※) | UAE、カタールなど |
それぞれどんな競技なのか、詳しく解説します。
グレイハウンドレース

グレイハウンドレースとは、「グレイハウンド」という犬種が出走するドッグレースです。イギリス、オーストラリアなどのイギリス連邦、アメリカなどを中心に開催されています。
レースは、ウサギに似せた小動物をダミーで走らせ、それを犬が追いかけるという形で展開されます。基本的には400メートルのトラックを1周、もしくは半周しかしないため、かなり短いレースです。賭け式は単勝、2連単、3連単などがあります。
世界各国で行われていて人気度が高い一方で、犬の酷使など、動物愛護上の問題があります。そのため近年はグレイハウンドレースを禁じる動きもみられるようになりました。
かつては人気のギャンブルだったアメリカでは43の州で禁止されたことに加え、嗜好の多様化により客足が遠のいたことで、ドッグレース自体が衰退しつつあるという
Wikipedia
ニュージーランド(NZ)政府は10日、合法的なギャンブルとして興行されている犬レースを2026年に廃止する方針を発表した。
NZ、犬レース廃止へ けがや殺処分多く:時事ドットコム
闘牛(ソ・サウム)

闘牛は、韓国の人口4万人ほどの清道(チョンド)という地域の競技場で公営ギャンブルとして賭けの対象になっています。
韓国で公営競技としての闘牛が行われているのが清道のみである。
日刊SPA!
競技内容はいたってシンプルで、2頭の牛が正面から闘うだけです。相手をフィールドから退ければ勝ち、勝負がつかない場合は引き分けとなります。また、5名の審判のうち3名が同一の牛に勝利判定をした時は、判定勝ちとなります。
競技時間は短いと数秒ですが、最長で30分間になることもあり、日本の公営ギャンブルにはない長期戦の可能性もある点が特徴です。
賭け式は、単にどちらが勝つか、引き分けかの3種類だけではなく、何分にどちらが勝つかという賭け式もあります。
試合時間30 分を5分ごとに6ラウンドまで区分し、どちらの牛がどのラウンドの時点で勝利したか、または引き分けだったかという「勝利結果とその時点」を選択する時単勝式(後略)がある。
韓国の射幸産業について
決着がつく時間も含めて予想するのは、難易度が高いため、オッズも高くなります。
なお、闘牛(ソ・サウム)を施行しているのは、清道郡が全額出資して設立した清道公営事業公社という地方公企業です。韓国政府が直接運営に関与している訳ではありません。
闘鶏(サボン)

闘鶏(サボン)は、フィリピンなどで行われている公営ギャンブルです。闘鶏は、フィリピン娯楽賭博公社が規制・監督しており、政府の重要な収入源にもなっています。
闘鶏(サボン)は、文字通りニワトリとニワトリが1対1で闘うギャンブルです。ギャンブラーは、どちらが勝つのか、もしくは引き分けに終わるかを予想します。
勝負スタイルはかなり激しく、ニワトリはそれぞれ足に「タレ」とよばれるナイフをつけて闘うようです。そして、片方のニワトリが闘えない状態になったら、勝負ありとなります。残念ながらそのまま死んでしまうニワトリもいるようなので、倫理上問題ないのかと疑う人も多いでしょう。
日本でも過去には闘鶏が庶民のギャンブルとして行われていました。しかし、自治体によっては、条例でギャンブルとしてだけではなく、闘鶏そのものが禁じられています。
ハトレース(賭けの対象ではない)

ハトレースは、ベルギーやオランダなどで有名なレースです。ハトレースは、公営で行う国もありますがギャンブルではありません。ただ、国によってはハトレースの順位によって、ハトの飼い主が高額賞金をもらえます。
つまり、優秀なハトの保有者なら、レースの賞金で数千万円も稼げたり、そのハトを競売に出して稼げる可能性があります。
またハトレースでの優勝歴があるハトが、2億円近くで落札されたこともあります。
レース用ハト競売サイト「ピジョン・パラダイス(PIPA)」で15日、身元不明の中国人バイヤーが雌のハト「ニューキム(New Kim)号」を過去最高の160万ユーロ(約1億9800万円)で落札した。
優勝歴あるレースハト、中国人が2億円近くで落札 過去最高額 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
そのため、投資目的や一種のギャンブル感覚でハトレースに参加する人もいます。
ちなみに、日本でもハトレースは開催されますが、賞金はありません。
あくまでもハトの名誉のためにレースをするという感じなのでしょう。
ラクダレース(イスラム圏での賭けは禁止)

ラクダレースは、「競駝」とも言います。主にUAEやカタールなど、アラビア半島の国で開催されるレースです。UAEはUAE Camel Racing Federation、カタールはQatar Camel Racing Clubがレースを主催しています。
見た目的には競馬に似ていますが、トータル距離が10㎞程度になることが多い点が、短距離レースの競馬との違いです。
また、近年では騎手の代わりに小型ロボットを騎乗させているケースが多いです。
ラクダのオーナーのほとんどは、軽量なロボット騎手をレースで使う。絹でロボットを覆って人に似せるオーナーもいる。
引用:ナショナルジオグラフィック
アラビア半島はイスラム圏であり、イスラム教の決まりによってギャンブルは禁止です。そのため、ラクダレースは「見て楽しむ」レースとなっています。
ちなみに、毎年冬にモンゴル南部のゴビ砂漠で行われる、モンゴル遊牧民によるラクダレースの場合は賭けることもできます。
ラクダ祭りツアー(4日間)
引用元:Discover Mongolia
ご希望であれば、レースに参加しているラクダに賭けることもできます。
世界の公営ギャンブル一覧(日本にもあるギャンブル)
日本の公営ギャンブルは、競馬、競輪、競艇、オートレース、宝くじ、スポーツくじの6種類です。このうち、オートレース以外は、世界でも公営ギャンブルとして賭けの対象になっています。
競馬
競馬は日本で最も売上金額が大きい公営ギャンブルです。海外でも競馬は人気が高く、世界各地でレースが開催され、馬券もよく売れています。
開催地域は、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニア、アフリカなど世界各地にあります。アラブ首長国連邦、香港、アメリカ、フランスなど、一部の海外競馬のレースは、JRAのサイトを通じて日本からでも馬券を買えます。


馬券の種類は、日本は単勝、複勝、枠連、馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単と、ネット投票限定のWIN5の合計9種類です。海外だと、日本にはない馬券の種類もあり、超高額配当も期待できます。
国 | 日本にはない馬券の種類 |
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フランス | 4連単、5連単 |
イギリス | 4連単、5連単、ジャックポット、プレイスポット ※ジャックポット:指定された6つのレースの単勝を予想する重勝式 ※プレイスポット:指定された6つのレースの複勝を予想する重勝式 |
香港 | ダブル、トレブル、ダブルトリオ、シックスアップ ※ダブル:連続する2つのレースの単勝を予想する馬券 ※トレブル:連続する3つのレースの単勝を予想する馬券 ※ダブルトリオ:指定された2レースの複勝を連続で予想する馬券 ※最終レースから数えて6レースの1、2着を予想する馬券 |
イギリスでは民間の業者が、エリザベス女王来場の日に「女王陛下の帽子の色あて投票」というユニークな馬券も発売しているようです。また香港では、条件次第でオマケ配当も付いてくるケースもあるなど、国によって様々なカラーが見られます。
競輪
競輪は、韓国でも公営ギャンブルとして認められています。その他の国では、競輪はありません。
韓国では1988年のソウルオリンピックを機に、ソウル市内に広大な自転車競技施設が建設されました。オリンピック後も施設を有効活用しようとの取り組みにより、競輪の公営ギャンブル化の動きが加速しました。
日本と韓国の競輪は、大きく以下の違いがあります。
- 韓国競輪はすべてのレースが7車立て
- 韓国競輪にはラインがない
- 韓国競輪は毎日開催ではない(日本は毎日開催)
- 韓国競輪では単勝、複勝の車券を売っているが、3連単はない
なお、時々競輪の日韓対抗戦も行われています。

競艇
競艇も、海外では韓国だけで公営ギャンブルとして認められています。韓国国内でもさほど盛んではなく、競艇場は美沙里(ミサリ)競艇場の1つだけです。
また韓国競艇は、2002年に初めて開催されました。つまり、まだ歴史も20年弱しかありません。
日本には全部で24か所の競艇場があること、1952年から開催されていることと比べると、規模の面でも歴史の面でも、大きな差があることが分かります。
一番大きなレースの賞金は日本競艇だとグランプリファイナルで1億円、韓国競艇だと文化体育観光部長官杯グランプリでわずかに3,000万ウォン(=約300万円)しかありません。
2024年に開かれた大会の中で最も大きな賞金である優勝賞金3000万ウォン(賞金総額9000万ウォン)をめぐって繰り広げられる大会であるだけに、いつにも増して熾烈な勝負が繰り広げられる見通しだ。
毎日経済 韓国代表経済メディア
舟券の売上金額を見ても、日本が2兆を超えているのに対して韓国はわずか数十億円です。比較対象が韓国しかありませんが、日本は世界一の競艇大国だと言って良いでしょう。
宝くじ、スポーツくじ
宝くじやスポーツくじは、海外でも多く公営ギャンブルとして発売されています。例えば、アメリカのパワーボールやメガミリオンズ、ヨーロッパのユーロミリオンズなどは有名でしょう。
海外の宝くじは賞金額が数百億円以上になることもあり、日本の宝くじとはケタが違います。
海外の宝くじは日本からは買えないのが残念ですが、一度は挑戦してみたいと思う人も多いでしょう。
スポーツくじは、韓国や台湾で特に盛んです。日本のスポーツくじの売上は1000億円強ですが、韓国は6902億円、台湾は2817億円(どちらも2023年実績)で、日本の売上金額を大きく上回っています。
近隣諸国、例えば韓国や台湾では、日本よりもスポーツくじ市場が大きく拡大しており、韓国では2023年時点で約61,367億ウォン(6,902億円)※7、台湾では2023年時点で約592億台湾ドル※8(約2,817億円)程度の市場が存在しています。
ゴールドオンライン
欧米だと、最近はスポーツくじをスポーツベッティングサイトなどで合法的に買えるのが一般的です。
オートレースは日本だけで開催されている公営ギャンブル

オートレースは、唯一日本だけで開催されている公営ギャンブルです。諸外国にはエンデュランスレース(耐久レース)などがありますが、オートレースはありません。
オートレースは、とにかく圧倒的なスピード感と迫力が売りです。最高時速は150㎞にもなります。

世界のどの公営ギャンブルと比較しても、最もスピード感があるのが日本のオートレースです。オートレース場は、日本に5か所しかなく、アクセスも良くありません。しかし、世界一ハイスピードな公営ギャンブルである点は大きな魅力で、日本人はもちろんギャンブル好きな訪日外国人にも、ぜひ訪れてほしい場所です。
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