オートレースには1級車と2級車があり、それぞれ違いがあります。ここではオートレースの2級車とは何なのか、その特徴や必要性について詳しく解説します。
オートレースの2級車とは
オートレースの2級車とは、簡単にまとめると以下の通りです。
【オートレースの2級車とは】
・排気量AR500(500cc)のバイク
・新人選手がデビューしてから1年間利用する
それぞれ詳しく概要を解説します。
排気量AR500(500cc)のバイク
オートレースの2級車は、排気量AR500(500cc)のバイクのことです。
通常、オートレースで使われるバイクは排気量AR60(600cc)の1級車と呼ばれており、こちらと比べると2級車はかなりパワーが抑えられているバイクとなっています。
34期新人王決定戦で優勝した上和田 拓海選手はインタビューで2 級車について以下のように発言しています。
2級車より、1級車の方が気持ちよく乗れていますね。エンジンは全然違います。こんなにも差があったのかと練習しだして思いましたね。なので、1級車でレース出来るのは羨ましいです(笑)
引用:オッズパーク
新人選手がデビューしてから1年間利用する
2級車は新人選手がデビューしてから1年間利用するバイクです。
2年目以降の選手は1級車に乗り換える
2級車を利用するのはデビューしたばかりの新人選手だけです。パワーが比較的抑えられている2級車でバイクの操作技術を習得した後は、1級車に乗り換えます。
しかし女性レーサーなど、一部には2年目以降でも2級車を利用する場合があります。
オートレースの2級車はなぜ必要なのか?
新人選手が最初から1級車に乗るのではなく、まず2級車から乗るのには理由があります。以下、2級車が必要とされる理由について詳しく解説します。
新人レーサーの安全な技術習得のため
2級車の特徴として、エンジン出力が低く設定されており、スピードが控え目という点が挙げられます。そのため新人選手や経験の浅いレーサーでも、安全かつ着実にバイクの技術を習得することが可能です。
排気量が少ない分、バイクのメンテナンスをしやすいため
バイクのメンテナンスコストや手間の大きさは、排気量と連動します。排気量が少ないほど、メンテナンスが楽になるのが特徴です。そのため2級車は1級車に比べると、楽にメンテナンスできます。
新人選手のうちはメンテナンスに負担がさほどかからない分、技術習得や学習に時間を割くことができるのです。
新人レーサーの段階的な成長のため
まずは2級車を利用することによって、新人レーサーが段階的に成長できるように設計されています。2級車は1級車に比べると扱いやすいのが特徴であり、まずは2級車によって基礎固めが可能です。
レースの安全性を確保するため
オートレースは最速で150㎞/時というスピード感がある分、万が一にも事故が起きた場合は大きなケガやバイクの故障に繋がるリスクがあります。操作技術の浅い新人選手が、いきなり1級車を使うのはリスクが大きいのが現実です。
また2級車はスピードを出しながらコーナーを回りきるのが難しいという特徴があるため、必然的にコーナリングではアウトコースを走ることになります。そのため万が一コーナリングで転倒するなどの事故があっても、他のインコースを走る選手を巻き込むことはにため、レース全体でみると安全性は確保されるのです。
2級車は最速ラインもアウト寄りになりますから、もしミスをしてもレース全体に与える影響が小さくすむという利点もあります。
Yahoo知恵袋
新人レーサーの競技経験を積ませるため
2級車は事故のリスクが少ないため、順位はともかく新人選手はレースで完走できる可能性が高くなります。まずは「完走できた」という経験を積み重ねることが、レーサーとしての成長につながるのです。
オートレースの2級車に関するよくある質問
オートレースの2級車に関して、知っておきたいポイントをよくある質問形式で紹介します。
・2級車と1級車は一緒のレースに出走する?
・1級車に2級車が挑んでも勝ち目はない?
2級車と1級車は一緒のレースに出走する?
あります。オートレースの出走表には基本的に選手名の下か横あたりに級車が記載されており、レースによっては1級車と2級車が同時に出走することがあることも分かるでしょう。
例えば上記のレースですと、1コースの北市選手が2級車、その他の選手が1級車であることが分かります。2級車の選手は新人選手なので、基本的には有利なハンデを与えられて出走します。
1級車に2級車が挑んでも勝ち目はない?
いいえ。性能的には1級車の方がスピードが出やすいものの、2級車でも1級車に勝った事例はあります。
例えば2023年10月23日から25日にかけて浜松オートレース場で開催された大会では、2級車の吉林直都選手が並み居る1級車の選手たちを差し置いて優勝しました。
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