オートレースのハンデとは?何のためにあるのか?ルールと仕組みを解説

オートレースのハンデとは?何のためにあるのか?ルールと仕組みを解説

オートレースでは多くのレースでハンデがあります。ハンデは他の公営競技にはない、オートレース独自のシステムです。ここでは、オートレースでハンデが設定される理由、ハンデの仕組みなどを解説しています。

目次

オートレースのハンデはスタートラインの違い

オートレースにおけるハンデとは、スタートラインの違いを指します。実際にオートレースのレースを見てみると、ほとんどのレースで選手のスタート位置は揃っていません。

選手のスタート位置が揃っていない
選手のスタート位置が揃っていない

他の選手よりも後ろからスタートする選手は、「ハンデを背負っている」状態となります。

ハンデ1段階につき10メートル後方からスタートする

オートレースのハンデは10メートル刻みで設定されます。出走表の「ハンデ」の部分を見ると、すべて10メートル単位です。

出走表の「ハンデ」の部分①
出走表の「ハンデ」の部分②

ハンデを背負った選手は、他の選手よりもハンデ分長く走る必要があります。スピードを競うオートレースにおいて、走行距離が長くなることは当然不利となります。

ハンデは最大11段階ある

オートレースのハンデは全部で11段階です。最も重いハンデを背負う選手は、最大で110メートル後ろからスタートすることもあります。

ハンデは10m単位で設定され、最大110mまであります。

ウィンチケット

しかし実際のレースでは、最大でも60メートル程度のハンデとなることが多いようです。

最大でも60メートル程度のハンデとなることが多い
最大でも60メートル程度のハンデとなることが多い

同じハンデでも、外側に配置されるとハンデは重くなる

スタート位置が同じでも、全員フラットというわけではありません。同じスタート位置であっても、内側なのか外側なのかで有利不利が分かれます

有利なのは内側です。オートレースでは基本的に前の選手を抜く時は、外から回り込む必要があります。つまり、外側からスタートする選手は、前の選手を抜くまでは基本的に外側を走り続けなければいけません。

そのため、スタート位置が外側だった時点で、実質的にハンデを背負っていると言えます。

最重ハンデの10メートル後ろからスタートする「スーパーハンデ」もある

オートレースには「スーパーハンデ」という特別なハンデもあります。これはS級選手などのトップ選手だけに課されるハンデです。

「スーパーハンデ」を背負う選手は、そのレースで最も重いハンデを負っている選手よりも、さらに10メートル後ろからスタートします。

上記動画の最初のレースは、スーパーハンデの実際の例として分かりやすいでしょう。他の選手は全員が同じスタートラインに立っていますが、一人の選手(片平巧選手)だけは、スーパーハンデを負い、10メートル後ろからスタートしています。

ちなみにこのレースでは、スーパーハンデを負っていた片平巧選手が見事に7人抜きを見せて優勝しました。

スーパーハンデは大きな不利になることは間違いないですが、それだけレーサーとしての実力が認められた証でもあります。

オートレースのハンデは何のためにあるのか?

ハンデは全公営競技において、唯一オートレースだけにあります。オートレースでハンデが設定される理由を解説します。

選手同士の実力差を埋め、全選手に勝つチャンスを与えるため

オートレースのハンデの大きな目的は、選手間の実力差を埋めるためです。オートレースにはS級、A級、B級と3つの選手ランクがありますが、どのランクの選手も同じレースで出走します。

ハンデなしでレースをしていれば、下級ランクの選手にほぼ勝ち目はありません。勝負が決まり切ったレースでは、あまり盛り上がらないでしょう。そこで、レースを盛り上げるために、ハンデが設定されるのです。

ハンデレースとは力量が異なる選手間で競走するレースです。ハンデがなければ力量の高いランクが上の選手ばかりが勝ち上がってしまうでしょう。そこで、ハンデレースは、レースを面白くするために設けられています。

ウィンチケット

オートレースのハンデはレースにどのくらい影響する

ハンデがない選手は、ハンデがある選手に比べて走行距離が短くなるため、当然レースでは有利となります。しかし、実際の結果を見ると、最終的には実力通りの結果に落ち着くことが多いようです。

例えば、2024年10月30日と10月31日に山陽オートレース場で開催された全9レースの、ハンデなしの選手(実力が低い選手)と最重ハンデを負った選手(そのレースで最も実力がある選手)の成績をまとめてみました。

着順ハンデなし選手最重ハンデ選手
1着2回4回
2着0回6回
3着2回4回
4着3回3回
5着3回1回
6着8回0回

結局、ハンデなしの選手は下位に、最重ハンデを負う選手は上位になりやすいことが分かります。それでも、全18レース中2回ですが、ハンデなしの選手が1着になっているのも事実です。

まとめると、大きな傾向としては実力通りの結果になりやすいものの、ハンデのおかげで時々番狂わせが起こる可能性がある、と言えます。

ハンデなしのオープンレースもある

オートレースには、全員が同じスタート位置から、つまり誰もハンデを負わない「オープンレース」もあります。

誰もハンデを負わない「オープンレース」
誰もハンデを負わない「オープンレース」

例えば、SGレースの1つである日本選手権は、すべてのレースがオープンレースで開催されます。

全レースがオープン戦(ハンデなし)で実施される。

Autorace.jp

オープンレースだと、完全に実力勝負です。なお、スタート位置が同じでも、インコースから発走できる方が有利になります。そのため、オープンレースであっても、外枠からスタートする選手はある意味ハンデを負っていると言えるでしょう。

オートレースのハンデを決める仕組み

オートレースのハンデは、大きく言えば実力によって決まります。以下、詳しく解説します。

ハンデの基準となるクラス分け

引用元:Autorace.jp

オートレースにはS級、A級、B級という3つのクラス区分があります。

クラス人数
S級上位48人
A級49位~280位
B級281位以下

これは、すべてのレース結果を得点化したもので決定し、半年ごとに見直されます。クラスの中でも、順位分けがあります。例えば、全体の50位の選手は、A級選手の中では2位という意味です。

基本的には、クラスと順位が高い選手ほど重いハンデを背負い、クラスと順位が低い選手には、軽いハンデ(もしくはハンデ無し)が与えられます。各選手のクラスと順位は、出走表に必ず記載されているので、確認してみましょう。

各選手のクラスと順位
各選手のクラスと順位

実際の出走表を見れば、クラス・順位とハンデの大きさが連動していることが分かります。

新人選手はデビュー後1年間はBランク

新人選手は、どれだけ実力が高くても、デビューしてから1年間はBランクのままです。

デビューした新人選手のランクは1年間B級最下位に固定されます。そのため、デビュー後1年間はどんなに競走成績がよくてもこのランクです。

ウィンチケット

つまり、新人選手は他の選手と比べると、軽いハンデが与えられます

直近成績も考慮してハンデが決まる

ハンデはランクだけで決まるものではありません。直近の成績も考慮して、ハンデが決定されます。

直近の競走成績によっては同じランクの下位選手のほうが重いハンデを設定されることもあります。

ウィンチケット

実際のレースでは、ランクが低い選手の方が重いハンデを背負っているケースもよく見られます。

ランクが低い選手の方が重いハンデを背負っているケース
ランクが低い選手の方が重いハンデを背負っているケース

例えば上記レースの山浦博幸選手(A-28)と米里崇徳選手(A-125)を比較した場合、ランクは山浦博幸選手の方が上です。しかし、米里崇徳選手がハンデを背負い、10メートル後方からのスタートとなっています。

直近10レースの成績を見てみると、下記の通り米里崇徳選手の方が好成績を残していました。

直近10レースの成績

このように、ランクを基準としつつ、直近の成績も勘案して、各選手のハンデが決められます。それでも、B級選手がA級選手より、A級選手がS級選手よりも重いハンデを負うことは、ほぼありません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

目次