オートレースではレースによって、選手にハンデが与えられることがあります。ここではオートレースのハンデの決め方について、詳しく解説します。
オートレースのハンデの決め方
オートレースのハンデは、簡潔に言うと選手の力量によって決まります。
選手の力量によってハンデの有無が決定されます。
たとえば、実力のある選手の場合は通常のスタートラインより後方からのスタートとなり、ほかの選手と比較しても多くの距離を走らなければいけません。
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選手の力量は「ランク」や成績で評価され、その格差に応じてハンデが設定されるという仕組みです。
半年ごとのレース成績でS級・A級・B級3つのランクが決まる
オートレースの世界では、選手がS級、A級、B級という3つのランクに分けられます。
ランクは高い順にS級、A級、B級です。
ランク | 所属人数 |
---|---|
S級 | 48人(1位~48位) |
A級 | 232人(49位~280位) |
B級 | 上限なし(281位以下) |
ランクは審査前の半年間(1月1日~6月30日or7月1日~12月31日)のレース成績に基づいて決まります。
新人選手はデビュー後1年間はB級ランクで固定
新人選手はどれだけ優秀な成績を残したとしても、デビューから1年間はB級ランクで固定されます。
デビューした新人選手のランクは1年間B級最下位に固定されます。そのため、デビュー後1年間はどんなに競走成績がよくてもこのランクです。
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ハンディキャップを被るのはランクの高い選手なので、新人選手は基本的にハンデを負わず、もしくは少ないハンデのみでレースに参加可能です。
同じランク内にも順位付けがある
同じランクに属する選手であっても、それぞれのランク内に順位があります。例えば同じA級でも、50位の選手もいれば200位の選手もいるというイメージです。
このランク内の順位や直近の競走成績によっても、ハンデの重さが変わることがあります。
例えば上記の2選手はともにA級所属ですが、ランクの低い吉松選手(A級230位)はハンデなしに対して、ランクの高い鈴木選手(A級168位)は10メートルのハンデが設定されています。
ハンデの距離は10メートルから110メートルの間で調整
オートレースのハンデレースにおいて、ハンデは最短10メートルから最長110メートルまで設定されます。ハンデの距離が長いと、その分レースでも長い距離を走らなければならないため不利です。
どのくらいの実力差があれば何メートルのハンデが付くのか、という明確なルールがあるかは不明です。ハンデはランクや順位だけではなく、直近レースの成績によっても変動するので、同じランク差・順位差であっても状況に応じて変動します。
ハンデ10メートルあたり0.01秒の差が生まれる
一般的にオートレースでは10メートルを0.01秒で進みます。つまり10メートルのハンデは、0.01秒分遅れていることと同じです。ハンデは最大110メートルなので、タイムで言えば最大0.1秒のハンデが設定されることになります。
同じ距離のハンデでも、実力が高いレーサーほど外側からスタートになる
負うハンデの距離が同じであっても、全員フラットな条件ではありません。なぜなら実力が高い選手ほど、レースの外からスタートすることになるためです。
オートレースではインコースを取った方がレースを有利に進められます。つまり外側からのスタートは不利(ハンデ)になるということです。
オートレースでハンデが設定される理由
そもそもオートレースではなぜハンデが設定されるのか、理由を詳しく解説します。
実力差のあるレーサー同士のレースを盛り上げるため
オートレースでは選手の実力に関係なく、いろいろなランクのレーサーが出走します。もしハンデがない場合は、常にランクの高い選手ばかりが上位になってしまい、レース自体に面白味がありません。
そこでレースを盛り上げるために設定されているのがハンデです。ハンデを負った選手はその分長い距離を走行する必要があるため、不利となります。すると実力の低いレーサーでも、実力のあるレーサーに勝利して上位に進出できるア可能性が生まれるのです。
例えば以下の動画のレースでは1人だけハンデのない新人レーサーが、ハンデのあるベテラン勢を引き離し初優勝を果たしていたします。
ハンデはオートレースで投票する人にもメリットがあります。それはランクの低い選手が勝って高オッズの車券を狙えることです。また大本命の選手でも、ハンデを負う分少しオッズが高めに設定されます。
ハンデも考慮しながら投票すると、よりオートレースの楽しさを感じられるでしょう。
ハンデが設定されるのは「ハンデレース」のみ
オートレースには「オープンレース」と「ハンデレース」の2種類があります。このうちハンデが設定されるのはハンデレースのみです。
「オープンレース」だと、全選手が通常のスタート位置、もしくは同じ距離のハンデを背負ってスタートします。
オープンレースとは、同程度のランクの選手のみが出走するレースです。SGなどのグレードの高いレースはオープンレースが多くあります。
ハンデのあるレースは公営競技の中でオートレースのみ
公営競技のうち、ハンデレースがあるのはオートレースだけです。競輪や競馬、競艇にはハンデがなく、実力差があっても全員が同じ位置からスタートします。
ハンデがあることでランクが低い選手が勝つ可能性もあり、他の競技にはない予想の楽しさも味わえるのがオートレースの魅力です。
ハンデがあると選手はやる気がでない?
オートレーサーの中にはハンデを背負うことでやる気を失う選手がいるとも言われています。ハンデを背負うとレースでは不利となり、上位進出が難しくなるためです。オートレースの賞金は順位によって決まるため、ハンデは軽い方が高額の賞金を狙えるチャンスがあります。
そのため重いハンデを背負ったレースではあえて手を抜き、次のレースで軽いハンデをもらって上位を狙うケースもあると言われているのです。
特に賞金額が大きくなるレースの前は、その大きなレースで軽いハンデをもらうために意図的に無気力レースをする選手もいます。
しかし実際のレース結果を見てみると、重いハンデを背負っても優勝している選手もいます。
例えば上記レースだと、最も重いハンデを負った岩科選手、藤波選手がそれぞれ1着、3着でした。そのため全員が全員ハンデでやる気を失うということはなく、あくまでも「そういう選手もいる」くらいの感覚で捉えるのがおすすめです。
その選手がハンデでやる気をなくすか否かは、過去に参加したハンデレースの結果を見ることで調べることもできます。
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